そんな時…―花音ちゃんが病室に飛び出てきた
「あッ!
花音ちゃん、危ないッ!!」
花音ちゃんに怪我はさせたくない
これは私の唯一の願い、希望だった
私はどうなったっていいけどせめて花音ちゃん、未来がある赤ちゃんには生きていて欲しかった
「…―コイツは花音だったわよね
先にコイツを始末してやろうじゃないか」
仲口さんは高校生と思えないくらいの顔つきにゾクリとしてしまった
「や、やめてよッ!
始末するなら私をしてッ!」
「理彩ちゃん、やめてッ!
花音には考えがあるのかもしれないよ?」
…―考え?
あるわけないよ、まだ赤ちゃんだよ?

