凜の夜泣きは凄まじい。


時々シカトしたくなる。


夜泣きが激しいのは、元気な証拠なんだろうけど、こっちが参っちゃうよ。


廉斗も時々夜中に起き出して、凜を寝かせつけてくれる。


「花梨1人じゃしんどいだろ。」


廉斗も朝早いし、夜遅いのに…。


申し訳ない。


「じゃぁ行ってくる。無理すんなよ。」


あの喧嘩以来、廉斗は私のことを気にかけてくれるようになった。


私がつかれた顔をしてるとすぐに気づく。

今日も、行ってきますのキスをしてくれた。


凛と一緒に見送る。


「いってらっしゃい。」


廉斗は最高に優しい旦那様だ。


きっとこんな人どこにもいない。


そんな彼が壊れてしまうなんて…。


優しい言葉をかけてくれることも、愛娘の名前を呼ぶこともなくなってしまうなんて誰が想像していただろう。


もう一度笑ってよ。


あなたの笑顔は、何よりの支えだったんだよ?