日曜日。


私と廉斗は、私の家にきていた。


二人の結婚と、出産を許してもらうためだ。


両親は、険しい顔で、私たちを見ている。

「…本気なのか?」


「軽はずみな行動で、大事な娘さんの将来に大きな影響を与えてしまったことは、申し訳ないと思っています。
けど、後悔はしてません。
マジで惚れて、一生守ってやりたいと思った女と、二人の子供です。
絶対に幸せにしてやりたいんです。」


廉斗が頭を下げる。


その背中は、これから『家族』を背負い生きていくと決めた、男の背中だった。


「廉斗くん。
頭を上げてくれ。
楽しいことばかりじゃないんだぞ?辛いことだってあるんだぞ?」


「わかってます。俺の両親を見てきましたから。どんな事があっても、二人で乗り越えていくつもりです。」


お父さんは、しばらく黙り込んだ。


「二人でなんて、寂しいこと言うなよ」


廉斗が思わず顔を上げる。


「俺も、昔結婚の挨拶に行くときに、同じことを言ったよ。でもな、言われたんだ。『親のとこに、結婚の挨拶に行くってことは、単に許してもらうだけじゃない。何かあったら、協力してください。って意味も含まれてるんだ』って。」


「そう言えば、お父さんそんなこといってたわね。」


「だから花梨が生まれたとき、俺もいつかこの子の彼氏が挨拶に来たら、同じことを言おうと思ってたんだ。思ったより早かったけどな。」


「それじゃぁ…」


「二人の結婚を認めよう。ただし条件がある。」


「条件?」


「なにがあっても投げ出さないこと。辛いときは、誰かに頼ること。そして何より、2人がお互いを支え合うこと。」


「ありがとうお父さん。」


「それから、妊娠中のエッチは禁止だからね。赤ちゃんが苦しむから。」


「はい。」


お母さん…。


「しないから!!」


「ホントに~?」


「赤ちゃんのためって思ったら我慢できるし。ねっ廉斗。」


「おっおう。」


ん?なんかいま、キョドってなかった?


「廉斗くんは、正直だな。」


廉斗は、恥ずかしそうに笑った。