妊娠した。


生理も来ないし、おかしいと思って、検査薬を買ったら、案の定陽性。


私は、真っ先に琴弥に相談した。


「どうしよ。」


「どうしようって…産むでしょ?」


「産みたいけど…廉斗や親におろせって言われたらどうしよう。」


「大丈夫。廉斗はそんなこと絶対に言わないよ。」


「だけど私高校生だし。」


「やめちゃいなよ。ギリギリまで学校行ってさ。それに、話してみなきゃわかんないし。」


「そうだよね。」


その日、私は仕事終わりの廉斗を呼び出して、妊娠したことを告げた。


「…マジかよ。」


「うん。」


沈黙が流れる。


「本当は花梨が学校を卒業してから、言うつもりだったんだけどな…。」


「えっ?何を?」


「少し早いけど、まぁいいか。結婚しよう。」


廉斗からのプロポーズ。


シンプルなところが、廉斗らしいと思った。


「…してくれるよな?」


驚いて黙っていた私に、廉斗が不安そうに聞いてくる。


「私でいいの?赤ちゃん産んでいいの?」


「当たり前だろ。」


「ありがとう。」


私は、廉斗に抱きついた。


「バカ子供がつぶれたらどうするんだよ。」


「廉斗絶対に親バカになるね」

そう言って私は笑った。


問題は親か。


廉斗は、頑張って説得するっていってくれた。


廉斗を信じてみよう。