体で伝える愛言葉

俺は、倒れている慎二に手を差し出す。


「行こう。姫が待ってる。」


慎二も、俺の手を握り返す。


「頑張れよ。」 「先輩応援してます。」


先輩や後輩から声援が贈られてくる。


俺たちは、その声を背中に受けながら歩き出した。


俺は、車に乗ってすぐに、花梨に電話をかけた。


…が、何度かけても出ない。


「っかしぃなぁ…何やってんだろ。」


「俺たちだけで先に行ってようか?」


「誰が琴弥呼び出すんだよ。」

「そっか。」


「仕方ねぇ。電話来るまで待ってるしかねぇな。」


この時、俺は全然知らなかった。


まさか、あの二人まで殴りあってたなんて。