体で伝える愛言葉

慎二は、今日も仕事に集中できてない。


琴弥のことが気になるみたいだ。


昔の俺なら、どうでもよかっただろうな。


でも、花梨に出会ってからの俺は違う。


仕事終わってから話してみるか。


こいつも俺が女と別れたとき、グチに付き合ってくれたし。


「慎二、仕事終わったら、ちょっと付き合えよ。」


「花梨はいいのかよ。ヤニが切れたあいつはやべぇぞ。」


知ってる。


一回タバコ買い忘れて、落ちてるの拾って吸おうとしたり、たまたま喧嘩売られて、思いきりかったり、かなり危ないやつだったな。


「少々大丈夫だろ。それにあいつ最近忙しいし。」


「ふ~ん。」


「琴弥のことでな。」


「琴弥?琴弥がどうかしたのか?」


おっ食いついた。


「琴弥今でもお前が好きなんだぜ?」


「知らねぇよ。別れるって言ったのは、あいつだぜ。」


「クスリやってんだ。お前と別れてから学校にも行ってないらしい。」


「えっ?…知らねぇよ。」


こいつこんなウザいやつだったっけ?


もう6年くらいつるんでるけど新たな一面を発見したな。


「自分が惚れた女だろ?助けてやれよ。」


「琴弥の話しはもうしないでくれ。忘れてぇんだ。」


「無かったことにするのか?片思いがやっと実ったことも、笑いあってたことも、全部。」


「そうだ。」


「ふざけんな!!」


親友を初めて殴った。