二人が別れてから1ヶ月。


もう、昔の琴弥の面影もない。

慎二も、だいぶ荒れてるみたい。


私と廉斗が会えば話すのは、二人のことばかり。


最近は、デートしてるって感じがしない。


「あいつさ…最近ボーッとしてて、今日も足場から落ちそうになってさ…見てらんねぇよ。正直。」


「琴弥ね…クスリやってる。」

「はっ?マジかよ。」


「これがあれば、嫌なこと忘れられるんだっていつも言ってる。何度もやめさせようとしてるんだけど、逆に私にまで薦めてくる始末で…手に負えないよ…。」


「やったのか?」


「やるわけないでしょ!!初めてだよ。男と別れて、琴弥がここまで荒れたの。」


「慎二もだよ。それだけお互い本気だったんだろうな。」


「まだ…間に合うかな?」


「どうだろう…手遅れってことはないと思うぞ?ただ…」


「ただ?」


「こればっかりは、当人同士の問題だし、二人が素直になるしかないよな…。」


「私もう一度琴弥に話してみる。」


「俺も慎二に話しつけるよ。早く仲直りしてくんねぇと、俺らにまで被害が来る。」


本気なのか冗談なのか、廉斗は笑いながらそう言った。


私たちは、おやすみのキスをしてから別れた。


またあの頃のように、みんなで笑えたら…。


当たり前だったあの日々がどれだけ大切なものだったのか、今回の事件で痛感させられた。


やっぱり、私たち四人は、一緒じゃないとダメだよね。


ってか、慎二と琴弥は絶対に一緒じゃないといけないんだ。