「…まだ足りないの?」 「うへ!?」 暖人が楽しそうにあたしの顎を指でなぞる。 それだけなのに、ぞくぞくしてしまうあたし。 「顔がもっとして、って言ってる」 そんな顔してないわっ! 睨むと、暖人はクスリと笑ってから、あたしの肩に頭を置いた。 「…暖人?」 今日はなんだかおかしい。 「…何かあった?」 そう聞くと、暖人がガバッと頭を上げた。 「…なんで」 「だって変だから」 あたし、物凄く失礼なこと言った気がする…。 ま、いっか。 暖人は優しく笑ってあたしの頭を撫でた。