狼彼氏に甘いキスを


 七瀬はあたしをじーっと見る。

 奥二重の大きな目があたしを写す。


「…何かあったでしょ?」


 これは聞いてるというより念押しみたいな口調。

「……」

 七瀬は溜め息を付き、ポッキーであたしを指す。


「何年一緒にいると思ってんの?幼稚園からもう12年目くらいよ。」


 お見通しという訳だ。

 仕方がない。
 キス以外のことを言うか。


「男子に絡まれて、助けてくれた。」


 七瀬が納得したのか、成る程と頷く。



「相変わらず人気ね。また悪い癖が出たんだ。」



 苦笑しながら七瀬が言った。