狼彼氏に甘いキスを





「…り、」

かすかに声が聞こえる。


「…夏織!」


耳元で聞こえた声に驚いて目を覚ました。

「…えー、と?」

状況判断ができない。



あたしを起こしたのは暖人で、見慣れない部屋で、なぜか暖人は上半身裸で…、あたしは全裸!?


「〜〜〜〜っ」


布団を引き寄せ、身体を隠す。

そうか、あたし暖人と…。


「夏織、どうする?」

「…何が?」


主語がないからわからない。



「帰る?泊まる?」



そう聞かれ、時計を見ると6時。

案外気が利く狼さんなのだ。


「…俺は、帰ってほしくない」