豊岡くんの腕の中は何だか温かい。 ――――安心する… 素直にこの温もりを受け入れていい関係に顔が自然にほころぶ。 「…どうした?」 豊岡くんが不思議そうに首を傾げる。 どうした、って言われても、素直に言えないのがあたし。 「何でもない!」 かなり不満そうな顔が目の前に広がる。 う、相変わらず綺麗なお顔で…。 「言え」 「いや」 「言え」 「いや」 そんなのの繰り返し。 付き合えて嬉しい、とか恥ずかしくて言えない。 「…思い出しただけで恥ずかしくなるようなことしてやる。」