「代わりに夏織チャンも俺のものになって?」 頭が追い付かない。 かろうじて、声を出す。 「それって…」 綺麗な顔に嬉しそうな笑みが浮かんでる。 「好きだよ、夏織チャンのことが。」 涙腺が弱くなってるのか、涙がまた溢れてくる。 「夏織チャンは?」 答えなんか、一つしかないに決まってるじゃない。 「豊岡くんのことが、好き…!」 豊岡くんは笑って、あたしの顎を掴んだ。 「よかった」 そう囁き、優しく唇を合わせる。 一瞬で離れる唇。 「片思いかと思ってた。」 そんなわけない。