狼彼氏に甘いキスを


「お前は…、豊岡っ!?」


 男子達が驚いて立ち上がる。


 豊岡…?


 知らない名前に首を傾げる。


「クソッ。行くぞ敵うわけねぇ!」


 やけくそのように吐き捨て、男子達はどこかに歩いて行った。



「…大丈夫か?」



 男子達なんかを無視して、あたしに向けられた綺麗な顔。


 綺麗すぎる顔に少しドキリ。


「…おい。」

「へ!?あぁ、大丈夫。」


 豊岡くんの不機嫌な声に我に帰る。
 物凄い近くに顔がある。


「…そ。」


 あっさり身を引く豊岡くん。

「お前、無闇に男子逆撫ですんなよ。」

 そう言われ、今度はあたしが不機嫌な顔になった。