狼彼氏に甘いキスを



 なんてことを考えていると、豊岡くんがあたしの顔を覗きこんだ。



「ポッキーゲームしようか。」



 え……?

「先に離した方が負け。」

 豊岡くんはそう言って、あたしが食べているポッキーを反対側から食べる。


「ほら、夏織チャン」


 急かされ、仕方がなく少し食べる。



 いつもとは違う距離感。

 いつもならすぐ顔が近づくのに今日は近いだけ。



 恥ずかしい。

 すごく、ドキドキする…。


 順番に食べていく。

 近付いてるのに近付いてない距離にどうしようもなくドキドキする。


「ッも、むり…」


 我慢できなくなり、ポッキーを離す。