狼彼氏に甘いキスを




 見つけた。


「豊岡くん…」


 あたしの声に豊岡くんが振り返る。

 彼がいたのは屋上。



「ん?夏織チャン、どうしたの?」


 豊岡くんは自分が座っている場所の横をトントンと叩きながら聞いてきた。



 …座れってことよね…?



 ストンと腰を下ろし、先生から貰ったポッキーの封を開ける。


「あんたの担任に授業出ろ、って言えっていわれたから…」

 そう言うと豊岡くんはニヤニヤ笑う。


「絶対やだって言って。」


 やっぱり…。


「わかったー…」

 ポッキーをくわえながら答える。
 言ったからいいでしょう。