狼彼氏に甘いキスを




 豊岡くんは隣のクラスのはずなのに、普段学校で会うことが少ない。

 いつも、急に現れてあたしを捕まえて離して消える。

 体育とかで見たこともない。



 いったい、あいつは何をしてるのだろう。



 気になるけど聞く気にはならない。

 のだが、


「お願いだ!」


 隣のクラスの担任があたしに頭を下げてる用件。



『豊岡くんを授業に出さす。』



 つまり、いつもサボっているわけだ、あいつは。

「えっと…」

「あいつを頼むよ…」


 すがるように言う先生。

 といっても急にそんなことを言われても困る。


「なんで、あたし…?」