狼彼氏に甘いキスを


「なによ。」

 馬鹿にされてる気がするんだけど。


「「こっちの話。」」


 二人は揃えて言った。
 こう言われると何も教えてくれないのは明白。

「……」

 むすーっと黙り込む。


「そんな顔しないで。ほら、ポッキー。」


 あたしの方にポッキーを差し出してくる七瀬。

「…超子供扱い…」

 そう言うけど、ポッキーは貰う。

 口に加えてると、健斗がニヤニヤと笑った。


「ポッキーゲームするか?」


 するわけない。

 視線だけでもわかったのか、健斗はニヤニヤを引っ込め苦笑した。


「冗談。俺教室帰るわ。」


 時計を見ると次の授業が始まりそう。

 あたしも席に着く。


――――女遊びが激しいのか…


 そんなことを考えながら。