「お、終わったか?」 裏庭で待っていた暖人があたしに気がついた。 「終わったー。喧嘩売ってきた」 そう言うと暖人が目をぱちくりさせた。 まさか詩穂に、って顔に書いてあるんだけど。 「暖人のお父さんに」 さらに暖人が驚く。 あたしはいたずらっ子みたいな笑みを浮かべた。 「引き裂こうとしても、絶対離れないから、って」 そう言うと、暖人はあたしの手をとり、引き寄せた。 そして、甘い声で甘く囁く。 「離してやんねーもん」 胸が高鳴る。 狼さんはいつでもあたしをドキドキさせる。