そのうち、何回か会い、時は流れた。 二人が、中学2年生の時のことだった。 「暖人、もう会わないことにしよう」 詩穂は暖人にそうつげ、二人の関係は終わった。 詩穂が別れを切り出した理由は好きな人ができたから。 父親達をなんとか納得させ、縁談はなかったかのように扱われた。 その後は互いに知らない。 暖人は今の高校に進学し、詩穂も別の高校に進学した。 ただ、互いに普通の生活を送った。 そんな、緩やかな平凡に終止符を打ったのは暖人の父親だった。 暖人の父親は詩穂に言った。