「……」
冷たい視線を送ると健斗が慌てた。
「すまん、んな目で見んな。」
といういつもの流れ。
軽いノリは結構楽しい。
「そういえば、豊岡の話してた?」
健斗が思い出したように言った。
「してたけど?」
「豊岡って女遊びすげぇらしいぞ?」
…あー、ぽいぽい。
なんだか妙にしっくりくる言い方だね。
女遊びが酷い、とか。
「気を付けろ。」
健斗の冗談のような口調にあたしも軽く返す。
「大丈夫だよ。あたしなんか相手にされないから。」
そう言うと七瀬と健斗は顔を見合せ、溜め息をついた。
「無自覚って罪だわぁ…」
「天然って罪だな…」
二人して意味わかんない。

