狼彼氏に甘いキスを





裏庭でそこまで考えて、顔を上げる。


メソメソしてたらいけない。


そう思って、立ち上がろうとした時、ゆっくりとこちらに歩いてくる姿があった。




「…夏織」




大好き、って言葉が浮かんだ。


キスいたい、なんて思った。




「…ごめんな」


あたしの前まで来た暖人は静かに言った。



「ううん。あたしこそ、ごめん」



そう言うと、暖人は怪訝な顔をした。


「なんで夏織が?」




「だって、暖人はあたしが不安にならないように努力してくれてるのに、あたしはしてない。」




暖人だって完璧じゃない。