溜め息をつきながら、詩穂は入り口を指差す。 「行ってきたら?」 言われなくてもいきます。 俺は立ち上がり、詩穂には何も言わず、屋上を飛び出す。 夏織は普通に笑っていた。 いつも通り、華やかに。 だけど、それは嘘だった。 夏織はどんな想いで俺と詩穂を見ていたのだろう。 わからない。 夏織の気持ちが俺にはわからない。 辛いくせに笑って、弱音も吐かない。 本当にあいつは俺のことが好きなのか――…?