そして、詩穂も怪訝な顔をした。 「気づいてないの?」 「何が?」 詩穂は溜め息をついてやっちゃった、って顔をする。 「夏織ちゃん、多分今頃泣いてるよ?」 え……? 「どういうことだ…?」 詩穂は心底つまらなさそうに言った。 「普通、彼氏に許嫁がいたら嫌よ?」 まさか、詩穂が嫌で屋上を出ていったのか? でも普通に笑ってたし…。 「作り笑い。わからないの?」 あれがぁ!? 完璧じゃないか! 「…これだから男は」