「…本音だし。」 「きつい夏織もいいッ!だけど、デレが見たい!!」 あたしに抱き着いて離さない七瀬。 そんなあたし達の頭上から声が降ってきた。 「俺の夏織に近付くなよ、七瀬。」 明らかに面白がった口調の声。 誰のものかはすぐにわかる。 「…健斗」 酒井健斗(さかいけんと)。 七瀬と同じく幼稚園からの友達。 「あたしは健斗のものじゃないってば。何回言えば気がすむの?」 いつも告白のようなことを言ってくる健斗に溜め息をつく。 「夏織が俺を好きになるまで。」 …うるせぇー。