狼彼氏に甘いキスを



暖人が眉をしかめて何かを言う前に、




「そぉよー、暖人ぉ」




可愛らしい声が割り込んできた。


暖人の顔から血の気が引いていく。

「し、詩穂…」

「はーい、久しぶりぃ」


後ろにいるのは滅茶苦茶可愛い女の子。

同じ性別だとは思えません。



「で、貴女が私の暖人をとった子?」



この質問でわかった。

この子が許嫁だ。


「羽藤夏織です」


一応名乗る。

その子はあたしをじーっと見て、



「面食い?」



と暖人に言った。

いやいや、あたしが彼女でも面食いにはなりません。