狼彼氏に甘いキスを



中も和風でした。


木製の廊下を通り、一番奥の部屋に案内された。

他の部屋とは明らかに違う作りと広さ。



そんな部屋に堂々と座っている中年の上品なご夫婦。


なんか、旦那さんの方がかたりあたしの横に立っている人に似ているのですが!?



「…座りなさい、暖人」


明らかに暖人のお父さんっぽい人が言った。



「…いや、座って話すことなんかねぇよ」



反抗的な態度で言い返し、暖人はあたしの肩を抱いた。

「!?」

いつもと違い、真剣な顔で暖人は言った。




「俺はこいつが好きだから。許嫁とか知らねぇ」




い、許嫁…?