「さっ、そろそろ探すか…」


そう言って歩き始めた瀬川 裕也の後ろに、3メートルほど距離をおいて私はついて行った


なぜか、だんだん歩く速さを遅くしている瀬川 裕也に合わせて私も遅くする


相手が止まれば、私も止まる


そんなことを数回繰り返した後、


「なんで、そんな後ろばっかり歩くんだ?」



「なんであなたは、歩くの遅くしたり、止まったりするんですか?」



「質問に質問でかえすなよ…

俺は、横歩けばいいのに後ろについてくるから、歩くスピードが速かったのかと思っただけだ

それで?お前は?」



「私は、昨日みたい人がいっぱい来て、右からも、左からも、前からも、後ろからも押されるのが嫌で、すぐに逃げれるようにするためです」


あれ?

そういえば、今日は誰もこない…



「あの人たちなら…」


そう言って、言葉につまった…