いつもと違うことを考えていた為か、いつもよりも家に着くまでに時間がかかった。 家の鍵を開け、ガチャッという音をたてながら戸を開ける。 誰もいない家は不気味な程静かで、物音一つしない。 “ただいま”、“おかえり”こんな言葉を言ったのは、聞いたのはいつだっただろう? でも私は言ってしまうんだ。 「ただいま」 この一言を。 誰に言ってるのかなんて自分でも分からない、聞いてくれる人も応えてくれる人も居ないことを知っている、だけど言ってしまう。