彼女は、空になった







「――‥‥‥‥‥‥。」



『愚か者』に対して、
『安らかに眠れ』―‥か。



そこにどんな意味があるのか俺は
まだ、知らない。







「―‥桃華。ほれ。」


雪に替えのワイシャツを渡され腕
を通す‥‥―。



『ありがとう。』




シーン‥‥‥―、


誰も、何も言わない。


聞かない。聞けない。言わない。
言えない。言いたくない。




『―‥今日は帰る。
渓達は、授業受けなよ。』


「―‥うん。
あとで、メールする。」



「桃華。今日、行くから。」


――‥雪は優しい。



『ん、待ってる。』




―‥背中に痛いくらいの遙達の
視線を受けながらあたしは保健室
を、後にした。