彼女は、空になった








「―‥っ‥ハァハァ‥ぅ‥。」


バッっと振り返ると、息絶え絶え
な兄が痛みに顔を歪めている。




『―‥お兄ちゃんっ!!!』




大丈夫?ねぇ、大丈夫?と、兄に
一生懸命、語りかける。



―‥だが、


「―‥う、‥お‥お前なん‥か‥
死んで‥し‥まえっ‥―!

幸せに‥させて‥
たま‥る‥もんか‥―!」



―‥彼も、またそれだけ言い残し
呼吸を止めてしまった。



3人の死体。血だらけの床。
血の匂いと生暖かさ。


父の返り血で染まる、自らの体。







―‥嗚呼、誰か。
早く此処から連れ出して。