彼女は、空になった








いきなり取れた片耳のイヤホンは
嵌まる場所を無くし、ダラーンと
ぶら下がっていた。








「―‥おい、死にてぇのか。」



『‥‥‥‥‥‥。』



「聞いてんのか?」


『‥‥‥‥‥‥‥。』



「お前に言ってんだよ、そこの金
髪女。」



「――‥ハル。
女の子に向かって金髪女は無いだ
ろ、失礼だぞ。」



「幹生は黙っとけ。」



『‥‥‥‥‥‥‥。』



長い黒髪に片耳にだけかけてある
耳にはシンプルなピアス。

制服は着崩してあってどっかのブ
ランドのネックレスにリング。


不良、だろうか。




漆黒の綺麗な瞳に、少し高めの鼻
淡いピンク色の薄い唇。


男のくせして、白い肌が似合う。
恐ろしい程、綺麗な顔だった。