彼女は、空になった








自分の過去に触れてほしくない。


――‥自分と関わったら、
不幸になってしまう。


―‥自分を苦しめたい。


―‥赦されてはいけない。


―‥でも、赦してほしい。



自分に大切な物を作りたくない。


―‥あたしは、知らないから。



失う辛さも、無くす痛みも。


―‥それを、知りたくない。



分かっていた。初めて言われた。



「お前、なんでそんな
死人みてぇな目してんだ。」




見透かされていた。怖かった。



彼の、彼等のような綺麗な人間に
自分の汚い過去を知られてしまう
ことが、この上なく怖かった。




―‥逃げる術を求めていた。



とゆうより、逃げていた。

なのに、近付いてくる彼等。



――‥あたしの中に入り込もうと
する、久木遙。



―‥眩しい。

彼等は眩しすぎて目眩がする。



―‥その光の中にあたしは、
入ってもいい人間なのか?


抜け出せなくなるだろう。

忘れてしまうだろう。


―‥あの日を。あの夜を。



怖い、怖いんだ。



久木遙の一言一言が真っ直ぐで、
あたしには‥‥、痛いんだ。




―‥彼は、彼等はあたしの過去を
知ったら『彼女』と同じ様に
言うのだろうか?









―‥『っこの‥人殺しっ!!!』




と、言うのだろうか?