彼女は、空になった






―‥おいおい。反則だろ。


コイツ、常に無表情かと思ったら
普通に笑うのか‥―。



ま、笑わない人間は、いねぇか。




「餌付けされんなよ?」






そう、言ってあたしに向かって
微笑んだ彼の優しい声と表情に
あたしは‥‥――。






―‥目を逸らせなくなった。





「‥‥ん?なんだよ?

なんか顔についてるか?」


あ?ん?とか言いながら
自分の顔を触る久木遙。


そよ風に揺れる黒髪。




『‥‥綺麗。アンタ、綺麗。』



「あ?綺麗?」





なんだよ、それ。なんて言いなが
ら、また微笑む彼は‥―。




まるで日だまりのようだった。





あたしの生きる道を照らしてくれ
るかのような貴方の笑顔は
日だまりのようだったの‥―。