彼女は、空になった








――‥説明?


なんの説明だ?

だってコレは、夢だろう?


「―‥、遙くん、だよね?」


金髪の男が話し掛けてきた。



「どうも、俺は憐ってゆうんだ。」



何度か、桃華から聞いた事がある
聞き慣れた名前だった。



「―‥、逃げちゃ駄目だよ。」



男は、それだけ言うと踵を返して
立ち去った。









‥‥――、大丈夫だ。
俺は、逃げてなどいない。




この夢から、目を覚ませばきっと
この腕の中に彼女はいるんだから‥‥――。




そして、彼女の額にキスを落とし
『おはよう。』と言うんだ‥―。












――‥嗚呼、だから早く、こんな
夢は終わらせてくれよ。