彼女は、空になった






――‥買い物を終えた帰り道。



途中、喫茶店に寄ったり本屋で立
ち読みをしていたから、もう既に
空は夕焼けに染まっている。




時刻は4時21分。



今日は5時半にお爺ちゃんと棗さ
んが来る予定だ。





綺麗な緋色に染まる河川敷を通っ
た‥―、その時。








『―――‥、桃華。』






バッ―‥‥!!!



勢いよく振り返る、が其処に人の
姿は見当たらない。




『(―‥今、遙に名前呼ばれた気
がしたんだけど‥‥―。


空耳?)』






―‥‥ゆっくりと、声の聞こえた
方に近付き、ポスン‥と、芝生に
座った。




『――‥‥遙。』