―‥最後は、穏やかに眠りたい。
―‥そう、お爺ちゃんと棗さんに
伝え、県外にある田舎町にアパー
トを借りた。
住んでいたマンションを引き払っ
て荷物を纏め、一枚の写真の裏に
メッセージを残した。
携帯は解約し、新しくした。
電話帳にはお爺ちゃんと棗さん。
――‥2人だけ。
「―‥桃華、本当に1人で大丈夫
なのか?」
『うん。最期は、1人で穏やかに
逝きたいから。』
「―‥‥っまだ死ぬって決まった
わけじゃないだろ!!」
『―‥‥棗さん。
分かってるよ。
勿論、死ぬ為に行く訳じゃない。
もしかしたら、田舎町で暮らせば
精神的に安定して、半年後も生き
てるかもしれないし‥―。
その可能性を、あたしは諦めたり
しないから、信じて。』
「―‥‥ちゃんと、連絡しろよ?
会いに行くからっ‥―。」
『うん、ありがとう。』
―‥お爺ちゃんも棗さんも、あた
しの為に今までたくさん良くして
くれたんだ。
死に際まで、世話をさせて迷惑を
かけたくはなかった。
月1で、アパートに行くと。
―‥そう、約束した。
『―‥じゃぁ、行ってきます。』
「―‥あぁ。気をつけてな。」
「―‥行ってらっしゃい。」
2人に別れを告げて、軽い荷物を
持ち向かう先は、【club ABC】。
