彼女は、空になった









ただ、ただ、地平線に沈む夕日を
見つめ、遙に全てを話した。




思ったより、冷静に無心で穏やか
に打ち明ける事が出来た。


―‥きっと、それは貴方が優しい
眼差しをあたしに向けて、あたし
以上に穏やかでいてくれたから。







家族の事。虐待を受けていた事。

あの日の、惨劇の事。


1人じゃ、眠れない理由。何故、
雪と憐と肌を重ねていたのか。


刺青の言葉に隠された、思い。


閉ざされた、心の闇。


美伽と、美伽の母の事。





―‥遙達を守ろう、と決めた事。