彼女は、空になった










「―‥‥お前の中に居る桃華は、
きっと強いんだろうな。

だから、お前には、アイツの弱い
部分が見えねぇんだよ。」



「―‥雪くんの中のアイツは‥、
桃華は、弱い―‥んですか?」





フェンスから見えるプールにまだ
浸かり微動だにしない桃華―‥。








「なぁ、久木。


―‥見えねぇか?お前には。」





「――‥何が、ですか?」






体を俺へと向けて、真剣な悲しそ
うな、泣きそうな目をして雪くん
は言った――‥。