彼女は、空になった






「あ、この唐揚げうめーな。桃華
は料理うまいからな。」


『野菜も食べてよ、ボケ。』


「ボケって言うな、ハゲ。」


『オッサン黙ってよ。』


「オッサンじゃねぇよ、お兄さん
だよ。お兄さん。」


『(オッサンじゃん。)』


「聞こえてるぞ、マヌケ。」


『早く風呂入ってよ。皿、洗いた
いんだから。』


「はいはい、お姫様。」



―‥雪は、いつも優しい。



だけど、雪は怖い。



頭が良くて、喧嘩も出来るし仲間
もたくさんいて女も絶えない。



そんな恵まれた雪が、いつか自分
に飽きて離れてしまう‥―。


そんな気がしてならない。