彼女は、空になった






お風呂に入って冷蔵庫からビール
を取り出す。




煙草を片手にビールって、あたし
オッサンみたい。



時刻は7時34分。


『(雪9時に来るんだっけ。)』




簡単な手料理を作って、掃除をし
ていればあっという間に9時。




ガチャ、



『(‥雪だ!)』


パタパタパタパタ‥

玄関に向かって猛ダッシュ。


『―‥雪っ!おかえり。』


「お、‥。走って転ぶなよ?」



そう言いながらいつも、よしよし
とあたしの頭を撫でてくれる優し
い雪。


「ん?なんかすげぇ良い匂い。」


『ご飯、作ったの。』


「まじ?ありがとうな。」



雪も幼馴染みの分類に入るのかは
分からないけど、すごく小さい時
から一緒にいた。


雪とは、実家が隣だった。


まだ、マンションに来る前に住ん
でた家の隣が雪の家だった。


―‥だから雪は誰よりもあたしの
過去を闇を全てを理解してる人。



憐同様、付き合ってはいない。


――‥『別れ』は怖いから。