彼女は、空になった









―‥渓と玖美にさえ、病気のこと
は話していない。



中学生の時に、あの夢を見て起き
た瞬間に、心臓に襲った激しい動
悸と、―‥刺さるような痛み。




すぐにお爺ちゃんを呼んで救急車
に運ばれた。



目を覚ますと病室で、腕には点滴
がされていた。



幸い手術までには至らなかった。


―‥いや、手術をして治るような
病気ではなかった。


と、言った方が正しい。