彼女は、空になった







『―‥‥最近ね、』


「うん。」


『幸せ過ぎて、怖いの。

いつか、終わってしまうんだって
分かってるから。

だって、人間に永遠なんて無いで
しょ?だから、怖いの。凄く。』


「―‥‥うん。」


『あたし、まだ、話してないの。
過去の事も。もちろん、病気のこ
とも。いつか、彼氏が‥―、遙が
聞いてきたら話すつもり。』


「―‥‥そっか。」


『―‥雪には、距離を置かれた。

前みたいに頻繁に会わないし、毎
日連絡も取らなくなった。』


「うん。
雪くんから聞いた。」


『―‥だから、次は憐が離れてい
くんじゃないかって、そう毎日思
ってた。雪は、関係を断ち切る訳
じゃ無いって‥‥―。

ただ、肉体関係を断ち切るだけだ
って言ったの。―‥けど、肉体関
係を断ち切ったら、こんなに距離
が出来てしまった。

―‥‥憐とも、そうなるのかな。
って、あたしっ‥、不安で‥。』


「―‥‥うん。」


『―‥あたし今、幸せ過ぎて周り
が見えてないかも、って思うの。

見えなくて大切な何かを見落とし
てしまう気がして、そしたら、い
きなり世界がまた暗くなり初めて

――‥、真っ暗になる前に憐に
会いたくて、会いたくて‥―。


やっぱり遙の腕も凄く安心する。
―‥けど、まだ一番安心する腕は
憐と雪なの。―‥‥‥。』


「よしよし。

頑張ってるんだね、桃華。」





―‥憐と雪は、なんでこんなに
優しいんだろう。