彼女は、空になった









じっくりと観察するあたし達。




「まだだよ。

まだ、抑えるんだ。うちら。」


「分かってるよ、渓。

話してるだけだもん‥―。

浮気なんかじゃないよ。

コレは単なる、彼女として嫉妬し
ているだけだよね?」




なんて言いながらも、眉間に皺が
寄ってる玖美。




『確かに、嫉妬だよね。実際。』




「「それ、言うなって。」」











「ねぇねぇ、遙くん。」


「―‥‥‥何。」


「遙くんって喧嘩強いんでしょ?

かっこいいよねぇ‥。」


「―‥‥‥‥‥別に。」


「あ!そうそう!
前から気になってんだけど遙くん
って誕生日いつなの?」


「―‥‥‥‥‥別に。」



「別に、って意味わかんなぁい!

アハハ!うちには内緒なの?」







こんな離れているのに、会話が聞
こえるなんて―‥。




あたし達は地獄耳か。



いや、遙の場合声が小さいから
口の動きで言葉を理解している。



『―‥‥(本当に他の子には
無口なんだ。遙は。)』