彼女は、空になった








テクテクテクテク‥‥―、



「(―‥可愛い。)」



小動物みたいにテクテク歩く俺の
桃華。




昨日は今までで一番、興奮した。



普段、無口で無表情の彼女からは
想像もつかない程の、甘い声音と
快感に歪む、その表情。



「(アレは、たまんねぇな。)」




――‥そして、なにより。



隣を歩くコイツが、俺の女だって
ことが幸せでならない。




―‥でも、やっぱり彼女はいまも
消えてしまいそうに、儚い。