彼女は、空になった







渓達を残し、保健室に来た。


ガラガラ―‥


「―‥桃華、か。」


『今日も、誰もいないの?』


「まあな。」


『―‥昨日、ごめん。
急に、今日はやっぱ来なくていい
よ、だなんて‥―。』


「あぁ。別に、大丈夫だ。」


『―‥‥‥遙が来たの。』

「―‥久木、か?」


『そう。泊まった。

何もしてないけど―‥。

初めて、雪達以外の誰かと朝まで
眠れたの。夢も見なかった。』


「―‥‥‥そうか。」


雪は何故か、寂しそうな微笑みを
浮かべた。



ボソッ―‥


「巣立ちかな。」






『え?聞こえなかった‥。』


「いや。一人言。
俺、職員室行かなきゃだから。」


『あ、―‥‥うん。
今日は来るよね‥‥?』


「―‥‥‥‥あぁ。行くよ。」


『ん。待ってる。』





―‥その日の、夜。




雪は、来なかった。