透き通るような空の上にはギラギラとした太陽が頭上高く上っていた。 私は目を細め、手で陰を作りそれを見上げた。 「あつ…」 ザザッと波打つ真っ青な海の音と大勢の人の声が入り交じり夏が来たのだと実感し、思わず口元が緩む。 片道5時間もかけて来た甲斐があった! すぐにでも水着に着替えて海に飛び込みたい衝動に駆られたが今は仕事中だ。 短パン白Tシャツの上にエプロンを付け、一本に縛った髪が潮風に吹かれ揺らいでいる。 私は麦わら帽子をしっかりと被り直した。