「なんだ !? 何であいつ怒ってんの !? 意味わかんねー!! 」


隣を見ると何事もなかったようにアイスティーを飲んでいる。


「たけ…」

「あ~ぁ、僕の方が先だったのになぁ~」


頬を膨らませ頬杖つく武司。

「晋ちゃん、僕が中学の時、女子から気持ち悪がられてたの知ってるでしょ?」

「ん…」

高校生になった辺りから急に女子の態度が変わり『王子』なんて持て囃されるようになった。

今まで散々『気持ち悪い、ダサい』なんて言ってた奴が…。
そんな奴等に『あんなオタク達と離れて』『電車なんて』
外見がいくら変わろうと中身は同じなのに…。


真央ちゃんは同じだった。
小学校の頃から変わらない。
僕の集めた模型を見ても『すごい!!』写真も『格好いいね』楽しそうに聞いてくれる。

確かに彼女は可愛くはないし、地味だけど…。
そんなの関係ないのに…、彼女が恋愛に全く興味なさそうだから、ゆっくりと…って思っていたのに…。

「横から持ってくなんて…、少しくらい意地悪してもいいじゃん。」


残りのケーキを口にほりこむ。

「何か、全くわからんけど…、頑張れ~。」