真央の教室を通り過ぎる時、歩く速度を落とし、横目に中を見た。


真央の前に電車男がいた。


思わず立ち止まってしまった。


飛び込んで引き離したくなるのを身体に力を入れ堪える。


廊下の壁に背を預け携帯を取り出す。


『他の男に笑うな』


こんなメールを送る俺はうざいよな…。


教室で真央が震える携帯を見ている。


楽しそうに見えるのは、俺からだから?

頬が赤いのはメールのせい?


真央の様子を見て、少し苛立った気持ちが和らぐ。