それからしばらくして、

私が契約した音楽担当者からの連絡で、

レコーディングをすることになった。


・・・

都内某所。

スタジオ入りした私は、

数人の人とすれ違った。

私より先にレコーディングをした歌手らしい。


最後の人とすれ違った瞬間、

ガシャン!!

と、凄い音がした。


驚いて、振り返った。


「すみません!よそ見をしていたので」




「…詩音?」


間違えたりなんかしない。

この声は確かに詩音の声だ。