「久しぶり」

この声は、詩音の声だ。

それがわかると、

声が出なくなった。

私は黙ったまま、

軽く頭を下げた。


「Love song弾いてくれる?」


「・・・え?」


「俺達の前で」


「・・・」


私は黙って頷いた。

観客は、

静かに、

私たちを見守ってる。